この記事をシェアする

ユーザーがインスタグラムに投稿しているコンビニの商品を、商品カテゴリ別に調査した結果を週単位でレポートする新企画。第一回目の商品カテゴリは、コンビニコーヒー。2013年1月にセブンイレブンが販売を開始したセブンカフェは、あっという間に消費者に受け入られ、その年の日経ヒット商品番付(日経MJ)でセブンカフェが東の横綱に、日経トレンディのヒット商品ベスト30ではコンビニコーヒーが1位を獲得した。コンビニコーヒーは、その後も消費者に支持され続け、今ではスターバックスやタリーズなどのカフェの売り上げはもちろん、飲料メーカー各社の缶コーヒーの売り上げにも影響を与えるほどの一大勢力に成長している。

そこで今回は、コンビニコーヒーを中心にしたコーヒー類全般について、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートのコンビニ3社のインスタグラムの投稿内容を調査してみた。結果は、コンビニ3社の特徴がよく出ている、かなり興味深い内容になっている。

コーヒーの投稿数がもっとも多いのはローソン。インスタグラムの全投稿の約18%をコーヒーの投稿が占める。

コンビニ3社の、1週間のインスタグラムへの投稿数は以下の通りだった。

1位:セブンイレブン 4,988件

2位:ファミリーマート 2,169件

3位:ローソン 2,105件

インスタグラムへの投稿数は、セブンイレブンがもっとも多く、ファミリーマートとローソンの2倍以上。このインスタグラムへの投稿数は、ハッシュタグだけで検索した投稿数ではなく、ソーシャルリスニングツールと目視によって、弊社が独自に抽出したデータから算出した投稿数だ。

たとえば、セブンイレブンを例にとると、ユーザーによって付けるハッシュタグが「#セブンイレブン」だったり「#セブン」だったりする。できるだけ大量の投稿データを抽出するためには、「#セブン」に該当する投稿も含めることが重要になる。しかし、ここで厄介な問題が一つ。「#セブン」で抽出した投稿には、「#セブンスター」「#セブンティーン」「#ウルトラセブン」など、セブンイレブンとは全く関係のない投稿がたくさん含まれているのだ。よって、セブンイレブンとは関係のない投稿を、すべて除外する作業が発生する。

可能な限り、消費者が該当するコンビニで商品を購入した投稿のみを抽出するためには、不必要なキーワード以外にも、宣伝や単にコンビニの名前をハッシュタグに付けているだけの、商品の購入とは結びつかない投稿も除外する作業が必要になる。また、これらの不必要な投稿を除外する作業は、ソーシャルリスニングツールだけでは不可能だ。最後は、人間が目視で行うことになる。

この後の調査の母集団となる、消費者が商品を購入したと思われる投稿のみを抽出したコンビニ3社のインスタグラム調査対象データは、この時点でとても価値があるデータだと考えている。なぜなら、該当する投稿が含まれているハッシュタグやキーワードを一度プラスし、その後に不必要な投稿を除外するという、人間の目視による作業の末に完成したデータであるからだ。

 

●コンビニ3社のインスタグラムへの投稿数

 

コンビニ3社の、インスタグラムへの「コーヒー」の投稿数と全投稿数に占める割合は以下の通りだった。

1位:ローソン 372件(17.7%)

2位:セブンイレブン 261件(5.2%)

3件:ファミリーマート 152件(9.4%)

インスタグラムへの「コーヒー」の投稿数は、ローソンが372件でもっとも多く、全投稿に占める「コーヒー」の投稿の割合も17.7%ともっとも高かった。「コーヒー」投稿数が次に多いセブンイレブンが、261件で占有率がわずか5.2%であることから、ローソンがいかに「コーヒー」の投稿が多いかがわかる。

 

●コンビニ3社のインスタグラムへの「コーヒー」の投稿数

 

コンビニ3社のインスタグラムへの投稿数に占める「コーヒー」の投稿数の割合

コンビニコーヒーの投稿数がもっとも多いのはローソン。コーヒーの全投稿の約92%をコンビニコーヒーが占める。

コンビニ3社の、インスタグラムへの「コンビニコーヒー」の投稿数と「コーヒー」の投稿数に占める「コンビニコーヒー」割合は以下の通りだった。

※ここで言うコンビニコーヒーは、レジ横にあるコーヒーマシンから自分でカップに注ぐ方式のコーヒー全般を指す。

1位:ローソン 343件(92.2%)

2位:セブンイレブン 181件(69.3%)

3件:ファミリーマート 59件(38.8%)

「コーヒー」の投稿に占める、「コンビニコーヒー」の割合がもっとも高いコンビニもローソンだった。ローソンは、「コーヒー」の投稿の92.2%(343件)を「コンビニコーヒー」の投稿が占めており、インスタグラムの世界では圧倒的な人気を誇っている。2番目に多いセブンイレブンが181件(69.3%)であることから、いかにローソンの「コンビニコーヒー」の投稿数が多いかがわかる。

一方、ファミリーマートは、「コーヒー」全体の投稿に占める「コンビニコーヒー」の投稿が38.8%と低く、逆に「コンビニコーヒー」以外の「その他のコーヒー」の投稿の方が多いという結果になっている。

 

●コーヒーの投稿におけるコンビニコーヒーの占める割合

 

さらに興味深いのが、「コンビニコーヒー」の投稿における「ホットコーヒー」と「アイスコーヒー」の投稿数と占める割合だ。コンビニ3社の、「コンビニコーヒー」の投稿における「ホットコーヒー」と「アイスコーヒー」の投稿数とその割合は以下の通りだった。

1位:ローソン ホットコーヒー→303件(88.1%)、アイスコーヒー→41件(11.9%)

2位:セブンイレブン ホットコーヒー→81件(49.9%)、アイスコーヒー→88件(52.1%)

3件:ファミリーマート ホットコーヒー→21件(36.8%)、アイスコーヒー→36件(63.2%)

セブンイレブンとファミリーマートが、ホットコーヒーよりもアイスコーヒーの投稿数が多いのに対し、ローソンだけ、ホットコーヒーの投稿数が、「コンビニコーヒー」の投稿数の88.1%を占めるほど、アイスコーヒーの投稿数を大きく上回っている。

 

●コンビニコーヒーの投稿におけるホットコーヒーとアイスコーヒーの割合

 

なぜ、ローソンだけ他のコンビニ2社に比べて「ホットコーヒー」の投稿が多いのか。ローソンの「ホットコーヒー」の全投稿データを目視で確認することで、その理由がわかった。ローソンの「コンビニコーヒー」は、マチカフェというブランド名で展開しているのだが、このマチカフェのホットコーヒー用の桜の花びらが舞い散るカップのデザインが評判になっていて、「ホットコーヒー」のインスタグラムの投稿数が他のコンビニ2社に比べて多かったのである。

それを証明するかのように、ローソンの「ホットコーヒー」の投稿303件のうち、46.2%にあたる140件が、「可愛い」「おしゃれ」などのコメントやハッシュタグをつけた、カップのデザインを強調した投稿だった。このような、「可愛い」「おしゃれ」などのコメントやハッシュタグをつけた投稿は、他のコンビニ2社の投稿では確認することができなかった。

ローソンが、セブンイレブンとファミリーマートよりも、「コンビニコーヒー」、しかも「ホットコーヒー」の投稿が多い理由は、「ホットコーヒー」の可愛いカップのデザインにあったのだ。桜の花びらが舞い散るカップが欲しいがために、わざわざ「ホットコーヒー」を購入するという、「カップ買い現象」が起きていたのである。

 

●ローソンだけ「ホットコーヒー」の投稿が多い理由

コンビニコーヒー以外で投稿が多いのは、PB商品と缶コーヒー。

今回調査した、1週間のコンビニ3社の「コーヒー」の合計投稿数が785件。その内、74.3%にあたる583件が「コンビニコーヒー」の投稿で、残りの25.7%にあたる202件は、「コンビニコーヒー」以外の「その他のコーヒ」の投稿だった。では、「その他のコーヒー」にはどんな商品が含まれているのだろうか。コンビニ3社の、「その他のコーヒー」の商品別の投稿数は以下の通りだった。

1位:PB商品 39件(21.8%)

2位:缶コーヒー 35件(19.6%)

3位:マウントレーニア 20件(11.2%)

4位:スターバックス 5件(2.8%)

番外:その他 80件(44.7%)

「その他のコーヒー」は、消費者の好みが大きく反映さているため、投稿している商品の種類がどうしても多くなってしまう。もっとも多いのは、様々なブランドのコーヒーが含まれている「その他」で、80件だった。次に多いのは、各コンビニが開発しているPB商品のコーヒーで、39件(21.8%)の投稿が確認できた。このPB商品は、紙パックのコーヒーやチルドコーヒーなどが含まれている。PB商品と同じくらい投稿があったのが、メーカー各社が出している缶コーヒーで、35件(19.6%)の投稿があった。

3位が、コンビニのチルドコーヒーの棚で必ず見かける「マウントレーニア」で、20件(11.2%)の投稿があった。同じくコンビニのチルドコーヒーの棚で必ず見かける「スターバックス」は、5件(2.8%)と意外に少なかった。この2つ以外のブランドのコーヒーについては、すべて「その他」に分類している。

 

●その他コーヒーの商品別の投稿数

 

●その他コーヒーのコンビニ3社別の商品別の投稿数

 

今回の調査でわかったことは、一口に「コーヒー」と言っても、コンビニごとに特徴が出ているということ。特にローソンは、カップのデザインにこだわることで、コンビニコーヒーの「カップ買い」という現象を引き起こすことに成功している。インスタグラムの投稿数が、そのまま売上につながっているかどうかはともかく、消費者の間で話題になっていることだけは間違いない。

今回の調査結果がどう変化するのか、1ヶ月後くらいにもう一度調査してみたいと思う。

この記事をシェアする